玉置神社へお詣りして交通事故に遭った話⑦

なぜか心惹かれるのが玉置神社。
でも、遠い。
関西圏に住んでるが、とても行き難い。
今まで2回、お詣りへ行った。
初の参拝の帰り道に人生初の交通事故!!
数年前のこと。
十津川村は奈良県の南部、せっかく行くなら宿を吉野に選んだ。やはり周辺の散策をしたいゆえ。桜が有名な吉野地方、新緑の頃も美しい。
予定通りお詣りをし、帰路で交通事故に遭ったため1日目の夕方から、2日目にかけての計画は強制的に変更。車が壊れてしまい修理に出した。
とにかく、代替の車を確保「そうせな明日から困るわ」と母。
事故で夜の遅く着いた私達。宿を楽しめてない。その事情を察してか、朝食の席には見晴らし良い窓側へ案内された。宿の自慢;お手製の胡麻豆腐に、漬物、山菜料理や川魚の煮付け、ご飯が美味しい。
交通事故のショックなど無視して完食!!
悩み事と、胃袋の働きは別のもの。
宿の方々にお礼を伝え、宿のご主人から「気を引き締めて保険会社と交渉しなされ」と、謎の激励を受け…。旅先で不運にも被害を受けた状況に、ご主人も苦々しい想いがあるそう。私達を、その後の事ま気にして下さった。
ご自身の旅先での事故は、事故相手ウンヌンもだけど、その後に発生した処理が、かなり不愉快だったそう。「あの連中は!」は保険会社のこと。「保険会社には気を付けるように」と言われる。一体、どんな目に遭われたんや???
交通事故に遭っても深刻ムードがない、この世間知らずな親子を心配して下さった。
そして、その忠告通り
後でエライ目に遭うことを、この時の私は知らなかった。
事件発生、保険会社が登場!!
車で帰れない。近鉄の吉野駅から、近鉄の京都駅を目指すことにした。
予め、帰路の電車賃も「後で保険会社へ言うて清算して貰いなさい」と、宿ご主人の情報で知る。本当に助かりました。今でも感謝しています。
中途半端な午前中、電車内に他の乗客がない。朝から晴れ、車窓の風景も美しい「あ、〇〇寺」と喜ぶ母も、一晩しっかり眠ると回復したらしい。
電車に乗り、凄まじい着信履歴に気付く。
(-_-;)な、何やのこれ??
吉野地方の、名誉(?)の為に書くと『電波が届く』が、私が携帯電話を見ず、鞄の底にしてて気付けず、謎の着信だらけ…
翌日に「こんなに電話が来るん?」
「これ何ごと?!」と驚いた。ゆっくり景色を眺めつつ京都へ向かう計画は、いきなり崩れ…やはり今回の旅行は台無しかぁ…
本当に、玉置神社さん!!ひどいょ
電話は保険会社3ヶ所から。
昨日の午後、交通事故が発生。保険会社は報告を受け早々に動く。そんな想像もてしない私達を〈捕まらない〉〈連絡が全くつかない〉と何度も着信してた。
「担当になりました」と名乗る相手が複数。
それも全員が急いでる様子。
今回の交通事故では、加害者の保険会社はもちろん、保険名義人の母と、同乗者の私とが他の県に住む為に【こちらの保険会社①】【こちらの保険会社②】が絡む。
加えて【相手の保険会社①】と、【相手の保険会社②】も登場。
その4ヶ所が、それぞれ複数回の電話。
(;´Д`)ゲンナリした…
「もう!わたしは知らん。アンタに任す」といきなり離脱する母。
え?ちょっと( ゚Д゚)何それ…。
「電話、全部アンタがして」と丸投げ。しっかり者で判断力もあり、自力で何事もこなす母の、日頃の態度とエライ違いやない?!
知恵と、勇気と、交渉と。冷静になれ
近鉄の吉野駅から、途中1度だけ乗り換え、京都へ向かう車中。
保険会社軍団から電話の嵐
「全然つながらなくて」と電話の相手。
旅行の途中で。まだ帰宅してません。
「え?それで。」「ずっとご自宅へ電話してました」と言われ、家の留守電は、きっとスゴイ事になってる…
他の乗客が少ない、気兼ねするけど電話ばかりで過ごす。私は(こんなん旅行ちゃうし~)と内心ボヤキ。すっかり旅モードに切り替えた母は、車窓の風景を楽しんだ。
すでに『この時から保険会社との交渉』は始まってる!!と、気を引き締める。
これ👆👆宿で頂いた忠告のたまもの。
電話で忙殺される内に近鉄京都駅へ着く。
「なぁ?せめて昼は、ゆっくり食べへん?」と私。
宿の朝食は美味しかった。けど、こんな形で旅行終了はイヤ。京都なら昼食は選べる。昨夜、体調を崩した母のため湯葉料理にする。
温かい料理って非常時こそ大切。
元気が出た。電車を乗り換え母宅を目指す。
昨日の事故後、母は自宅の近所にある自動車整備所へ連絡済み。事情は理解され、受け入れOKも貰った「そこへ先に行きたいん」と言う。
田舎では車がないと不便。けっこう高齢でも安全運転しつつ乗る人が多い。
玉置神社へ交代で運転しており、道中の細い道すら「これくらいの道ならワタシでも運転できるわ」と、母は嬉々としてハンドルを握る。旅を終え、一人になる前に”代替車を確保”と考えていた。
最寄り駅に着いたら、代替車を受け取りに自動車整備所へ行く。今は移動手段がないのでタクシーで。それも「ちゃんと請求するんです」と宿のご主人アドバイス。
領収書もらう。
後々の請求など考え、領収書やレシートは残す。
交渉事では基本にして、大切なこと。
今更ながらの社会勉強
この交通事故に関しては、車間距離をとらず後から追突した、相手の過失。
疑いようなく全面的に相手に非があった。
運転してたのは私だが、制限速度は守り、違反なし。と、いう訳で、壊れた車の修理を含め【母の保険会社】との、電話連絡はアッサリとしたものだった。
問題は【加害ドライバーの保険会社】とのやり取り、になる。
ここで、吉野の宿で、心配して下さったご主人の「丸め込んできますからね、気を引き締めて!!」が蘇る。私達は交通事故が初めてだし、保険会社なんて、正に交通事故の案件のプロ。どう考えたって不利。
相手の保険会社は『少しでも損失を減らす』ことを目指す。つまり、『支払うべきモノは極力お支払いないよう』話を進めてくる。
追突した相手ドライバーに、悪い印象はない。
でも、保険会社との応対については警戒
そこで、改めて母へ問う『体調はどう?』『せっかく遠出し、とんでもない体験をした、どう思ってる?』本音を話して!!
田舎で生まれ育ち、厳しい父母(私には祖父母)に育てられた長女気質。本心を言わない人で、時に、とっても面倒臭い。けど、今回は本音を言ってもらわないと…。
まず受診して。そう伝えた。
今は痛みがなくても後日、何らか不調が出る可能性はある。とにかく、医者へは行ってと伝えると、しぶること、しぶること
「全然、大丈夫やし」「そんな面倒臭い」とゴニョゴニョ言うて嫌がる。保険会社との連絡ってウザったいのに、アンタまで私を煩わせるのか!!と強めに言えば、渋々ながら受診を約束した。
「問題なし」と安心が欲しいのょ、私は!!
今回の交通事故に関して、幼児返り状態?!
勘弁して欲しい(-_-メ)
後日、母は病院へ行った「なんも問題ないですね」と医師から言われたそう。
それらも、全て保険会社へ伝える。
問題は、私の方だ。運転中に(対向車を避けるため)ブレーキを踏んだ瞬間、後ろから不意打ちに衝撃がきた。そのせいか体に謎の不調がでていた。事故に限らず、後や横からの衝撃って怖い。無防備な時に衝撃は、どんな反応がでるか予測不能。
母は大丈夫だったが、私のほうは少し通院を要した。
通常の診察と異なり、保険会社が絡む『事故案件』の診療になる。そこでも医師とのやり取りに謎の緊張が走った。事故に遭い、保険会社が登場、受診する。これだけでも想定外の出来事。仕事の合間に通院をした。
交通事故って、大変ょねぇ…
さて。この旅の出来事を、何人かに話すと、
交通事故の経験、意外と多いことに驚く。中には「裁判にまで発展して、裁判所へ通ったで」なんて人もいた。母の保険(相当ええプラン)の裁判費用カバーは、必要なケースもあると知る。
「それ、事故の相手の人、ホンマにええ人で良かったなぁ」「根性悪い相手やったら、交通事故って最悪やで」とも言われた。
自分が加害者になる、被害者になる。
車の運転をする限りは、常につきまとう問題。気を引き締め、速度やルールを守っても、遭う時はあるから。
後日、相手のドライバーさんから電話が。
ひどく詫びておられ「ご自宅までお詫びに伺います」「お母様は大丈夫でしたか」と言われる。母、ピンシャンしてますから~!!と伝え、安心して頂く。実際に、母は問題なかった。
わざわざ他府県に来て頂かなくても「大丈夫です」と伝える。
交通事故の経験がある知人は
「相手は必死やと思うで?だって、仕事で車を使う人やろ?」
「今回の事故が、対物か?人身か?事故の処理で、かなり変わるし」
「なるべく穏便にして欲しいはず」と言う。
( ゚Д゚)え、車に対してか?人に対しての事故か?で、扱いが違う?
「人身事故として扱われたら重いし。運転免許証にも傷がつく。点数も相当に下がるで。それに、その人(の会社?)から保険会社への支払い額も変わるはず」
こういった事柄👆👆
ホンマ、経験してみな分からん数々。
裁判沙汰ほど深刻でなくても、初めて知る事だらけ。
交通事故の経験から学ぶなぁ…
交通事故があっても、悪い旅じゃない
後日、五條市の警察から電話連絡がきた。
対物事故で扱いますか?
人身事故として扱いますか?
私は通院をしてる。壊れた車が最大の被害。人身事故として処理を、と主張するなら「こちらまで出向いて頂く必要があります」と警察。
こちらって、奈良県五條市??
それだけ、人身事故の扱いは重い。
んんん(>_<)本当に疲れる、各所への対応と、決断。状況説明、意思表明。
ものすごく心の負担が…
でも、心の負担は警察には関係ないから。
「どうされます?」と問われ、改めて考えた。あの相手ドライバーさんに対して、私はどう思うか。母は「そんなん…」としか言わない。
玉置神社へ初のお詣り。車しか行けない僻地へ運転した。無事にお詣りを済ませた。楽しかったし嬉しかった。吉野に宿泊して、2日目の観光する計画は、事故でパァになった。あのドライバーさんに怒ってる?
母も、私も「いいえ」やね。
呼び出された若い同僚さんは災難やったと思う。けど、北部から十津川村へ呼んで、私らを吉野へ送ってくれた。例え、少しでも〈良い印象を与えたい〉下心でも、加害者側の誠意。できる限りの事をしてくれた。そう思う。
悪い旅じゃなかった。
「車が壊れただけの事故で」そう伝えた。
こうして初の玉置神社へお詣りは終わった。